リチャード H モリタブログ
2008.01.01 2008年1月1日
※このブログは、毎月1日に更新しています。
【今月のことば】
機会は準備した心を持った人に味方する
パスツール 細菌学者
2008年1月1日
マイ・ゴールを模索しはじめるタイミングについて「大学生の方へ」
偉大な思想家ジェームス・アレンは、その著書『原因と結果』の中で次のように述べている。「人はいつも思考という道具を用いて、いくつもの喜びと、いくつもの悲しみを生み出しています」と。何を思考するのか、何を選択するのか。これは極めて重要な課題である。成功者、自己実現者は、現状に甘んじることなく、絶えずマイ・ゴールを模索し、絶えずマイ・ゴールを見つめている。
しかし、今、あなたが大学3年生で就職活動を目前に控えている状態なら、マイ・ゴールを模索するには早すぎる、ということを年頭に申し上げておきたい。
具体的にはこうだ。
人生の選択問題に直面している大学生がいる。『マイ・ゴール』を読み、就職を目前にして、目標設定コースに参加して適職さがしを成功させたいと思っている。動機もタイミングも十分のように思われるかも知れないが、私たちは大学生の受講を五年前から受けつけていない。なぜか? それには二つの理由がある。それは、
1.マイ・ゴールを選択するための基準となる社会経験値が極めて低い。
2.日本において、新卒入社という機会は一生に一度しかなく、適職さがしの目的で受講した場合、その模索期間は数ヶ月から一年以内に限定され、性急な選択となる。
たっての希望ということで、長文の面談願いや感想文を寄せていただき、事務局にも直接訪問されたような場合、私自身、年に五~六人の割合で大学生の方に面談をしているが未だ受講を受けつけたことはない。直近、立命館大学経済学部三年のT君の場合で説明しよう。T君は、メーカーに行くか、金融に行くか、また会社選択も迷っていた。将来知事にでもなれるのではないかと想像させるぐらいの好青年だ。私は彼の話を一時間ほどじっくり聞いたあと、こう言った。
「Tさん、あなたが銀行かメーカーかと迷っているなら、内定まで一年という限られた時間の中で徹底的に一社でも多くの会社を訪問しなさい。新卒採用のチャンスは時間で限られています。時間との戦いです。競争率が高い低いそんなことは関係ありません。自分には無理だなと思う企業もあるでしょう。関係ありません。とにかく受けて受けて一社でも多くの内定をもらいなさい。そのあと、どこにするかを考えて選択すればいいのです。選択肢は多ければそれに越したことはありません。そして、ひとたびここかなと選択したら、その会社に入社して徹底的に働きなさい。寝食を忘れて、毎日ぐったりとなるほど、まずは一年、徹底的に働いてみる。二年目どうするかなどと考えなくてもいい。それはまた二年後に考えれば。苦手だ、嫌だなと感じることであっても、配属に愚痴などこぼさず、決して文句を言わず、すべては自己責任という認識の中で、徹底的に仕事に取り組んでみなさい。そうすれば、たとえ苦手だと思っていた部署のキャリアでも、将来必ず役立つし、一心不乱の努力をしてこそ自分に向いているかいないか、自分が何を求めているのかがもっと明確になってきます。そしてマイ・ゴールへの選択も切実なものになってくる。そういう社会経験もなしに、自分に向いていることはなんだろうと、今この時期にいたって悩んでいてもはじまりません。あなたは若い。あなたの未来はあなたの目標のおもむくままです。だからあせる必要はありません。そういう実社会の経験を通して人との出会いがあり、事実との出会いがあります。マクドナルドのレイ・クロックにしても、スターバックスのハワード・シュルツにしても、ビジネスキャリアのスタート時、その仕事に猛烈に取り組んでいます。その上で、今よりもっと真剣に考える時期やチャンスが必然として訪れます。まず就職して、そしてがんばってやった上でマイ・ゴールを見つけたいと思ったなら、そのタイミングでまた会って話しませんか。そうした経験がなくては、マイ・ゴールはなかなかつかめません。自分をみつめ過去を振り返る内省の作業も、振り返るエピソードがもっとなくては話になりません」と。
何事もタイミングが重要である。また、このことは『マイ・ゴールの物語編』冒頭のストーリー展開に盛り込んでいる。本は読み手の鏡であり、感動は共感なのだから、お読み終えて、もし「まるで自分のことが書いてある」という感想を、ある程度の社会経験を経た方が持たれたなら、今がマイ・ゴールを模索しはじめるタイミングであることはほぼ間違いない。
人生には良いとき悪いとき、仕事の好不調、人間関係、病気、結婚、離婚、失恋、愛する人の死、トラブル、失敗や挫折の体験、成功体験――と、必然的なエピソードが次々と生まれる。そのエピソードの渦中、悩み、喜び、出会い、人は必然としての人生の選択を考えるチャンスを手にする。人生の「生」の過程は常に流転し、その運命に対応している。世の中に絶対はないと言う。しかしあえて言うなら、いつかは死ぬという「死」の訪れだけは絶対的なものだろう。そして結局のところ人生とは、死ぬまでの限られた時間をどう生きるのか、ということに他ならない。しかしその死の訪れがいかに絶対的な事実であり「いつかは死ぬんだ」と言葉にしながらも、健康体でいる限りリアリティーを持つことはなかなかできない。しかし、「いかに死ぬかは、いかに生きるか」である。自己実現への取り組みとは「いかに生きるか」ということに、自発的に、真剣に取り組むことである。
「人生は一度しかない」という限られた〝時間〟へのリアリティーがわいたとき、このまま自分の人生は終わってしまうのか、このままで終わるのはいやだ――と思えるときが、具体的にマイ・ゴールの模索をスタートする最高のタイミングである。
年の始め、今までの人生を振り返り、
今年を「人生の選択の年」とされることをお祈りする。
リチャード・H・モリタ拝
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